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> “Tale of Heike”

源平合戦図屏風

江戸時代(17世紀)
(各)376 × 173(高さ)cm
六曲一双、紙本金地着色

“Tale of Heike”

Edo period, 17th century
376 × 173 (height) cm
Pair of folding screens in six panels, painted on paper in mineral pigment with gold leaf

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Dr.K says

「平家物語」に取材した六曲一双の屏風で向かって左隻に「宇治川先陣争い」を、右隻に「一ノ谷の戦い」の名場面を描いている。
「宇治川先陣争い」では橋板がことごとく落とされている宇治橋と、宇治の景物として常に登場する水車が描かれている。源義経側の佐々木高綱と梶原景時が頼朝から与えられた名馬に乗って先陣争いをした場面で「平家物語」を絵画化する際には必ずといってよいほど登場する。武士たちには昇揚する場面たったのであろう。
一方の「一の谷の戦い」では、海に居る若武者が平敦盛で、砂浜を駆けよる武将が熊谷直実である。こののち、直実は若く敦盛を討ち果たすが、人生の無常を感じるという話は、「一谷嫩軍記」という人形浄瑠璃に取り挙げられ人々の紅涙を絞ることになる。
金箔の色、金雲の形からすると十七世紀の半ばあたりの制作で、画家としては他に遺品もある海北友雪などが有力だろう。